より良いルールブックへ

「良いルール」に求められるもの

「ルール」と「戦略」を切り分ける

例えば「制限時間になったら議論をやめて投票をする」はルールですが、「議論中に仮投票をする」「占い師は適当なタイミングでカミングアウトする」というのはルールではなく戦略にすぎません。ある程度の戦略を理解したほうがゲームを楽しめるのはもちろんなのですが、どんなに基本的な戦略も「プレイヤー自身が発見する」ほうがゲームはより楽しめます。

チュートリアル」の章は、最小限のルール、最小限の編成でまずプレイをしてもらい「どうしてカミングアウトが必要なのか」等を1つ1つ理解しながらステップアップしていくように構成しています。

ゲームマスターの負担を出来るだけ小さくする

有料の人狼イベントスペースなどでプレイする場合はプロのゲームマスターがゲームを進行してくれるのでなんの心配もありませんが、仲間内でプレイする場合には皆でゲームマスターを持ち回りにする場合がほとんどかと思います。

出来るだけ、誰でも簡単にゲームマスターを進行出来るようにするために、

  • 出来るだけ短く、簡潔に

  • 記憶やメモの必要を最小限に

  • よくあるトラブルを回避できるように

といった点を重視して構成しました。

判定の出し方について

コミュニティによってさまざまな判定サインがありますが、本文書では「チョキ」と「パー」を推奨しています。

「占い結果はこちらです。チョキなら人狼、パーならそれ以外です」

このように、先にサインを出し、手の形は変えないまま口頭だけでサインの説明をします。そうすると、説明を記憶する必要がないので理解しやすくなります。

騙りのプレイヤーも耳で聞いてサインを想像出来るため、事前の説明が不要となります。

口頭だけで説明できないようなサインを使うと、説明のために「このサインなら人狼、このサインならそれ以外」と、サインをころころ変えることになりますが、結局どれが判定なのかわかりづらくなりますので本文書では採用しませんでした。

親指上下パターン

一般に、親指上は「ナイス!」、下は「地獄へ落ちろ」のニュアンスがあります。村人チームの一員にとって人狼を見つけたことは「ナイス!」であり「地獄へ落ちろ」でもあります。ここに混乱の余地があるため、本文書では採用しませんでした。

片手、両手パターン

片手で Villager の V、両手で Wolf の W を出す、のようなルールがありますが、タイマーや記録用のクリップボードを手に持っている場合、両手での判定を行おうとして手間取ったり、物を落とすリスクがあります。「手間取ったということは両手」という情報が漏れることになるので、本文書では採用しませんでした。

夜フェーズの進行について

熟練したゲームマスターであっても、珍しい局面を迎えたときにはつい進行を迷うことがあります。初心者ならばなおさらです。

しかし、ほんのわずかなゲームマスターの迷いが、プレイヤーにヒントを与え、ゲームの進行に影響してしまいます。

本文書では、ゲームマスターの負担が最小限となるように工夫をし、最小のセリフで誤解の余地をなくすよう、一語一句まで考えています。まずは台本通りに読み上げる形で何度かプレイしていただき、ゲームマスターもプレイヤーも進行に慣れてきたら、説明の一部を省略したり、表現を変えて楽しむとよいでしょう。

特別な役職を入れる場合など、進行を改変する場合には、以下のポイントを出来るだけ押さえておくのを推奨します。

霊能者が最初

2つの利点があります。

  1. 判定の対象が明確

  2. 他の情報が入ってくる前なので間違えが起きにくい

「たった今処刑された人物の判定は」というセリフで判定を出します。

最初に出してしまえば、その夜はもう霊能者の事を忘れることが出来ます。

また、初心者の霊能者は処刑と襲撃を混同しがちですが、処刑の直後に判定を貰えば間違えようが無いので、プレイヤーにも親切です。

人狼の襲撃が最後

襲撃の後にボディーガードや占いのフェーズが続くと、「死ぬと決まったけどまだ誰にも教えてはいけない」という、ゲームマスターだけが生死を知っている、言わば半死のような状態が一時的に発生します。

ゲームマスターは、「既に死んでいる役職の分もコールする」必要がありますが、状況が複雑になり、同時に考えるべきことが増えた時についうっかりしがちです。

あるいは、そのような状態で、他の能力者から半死のプレイヤーを指名されたら?「まだ生存している」として判定を出すのが正解ですが、一瞬でも迷いを見せるとプレイヤーに情報を漏らすことになってしまいます。

襲撃を最後に処理することで、そういった負担を無くすことが出来ます。

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